Java入門編:制御構文の基礎 繰り返し処理①:for文の基本と応用(前編)

「同じ処理を何度もコピペするのって、なんか非効率じゃない?」
「これ、自動で繰り返せたらいいのに…」

Javaでプログラミングを始めたばかりの方が、最初につまずきやすく、でも絶対に避けて通れないのが“繰り返し処理”です。

なかでも、今回取り上げる「for文」は、回数が決まっている繰り返しにとても便利な構文。

繰り返しのスタート地点とゴール地点を自分で指定して、「この範囲だけ自動で何度も処理して!」とプログラムにお願いできる、とても頼もしい存在です。

実は、システムエンジニアとして開発現場で活躍するうえでも、このfor文は毎日のように登場する基本ツール

・データを一括で処理する

・表示をループで組み立てる

・配列やリストを順に操作する

といった場面では、for文が書けるかどうかで効率がまるで変わってきます。

今回は、そんなJava初心者にとって必須スキルとなるfor文について、

・具体的な使いどころ

・文法と構造のわかりやすい説明

・よくあるミスと注意点

・実務につながる応用編

まで、バナナドリームが丁寧に解説していきます。

1. 繰り返し処理って何のために使うの?(具体的な使いどころ)

Javaに限らず、どんなプログラミング言語でも必ず登場するのが「繰り返し処理」です。

一見難しそうに聞こえるかもしれませんが、やっていることはとてもシンプル

たとえば、こんな場面を想像してみてください。

✅ 「同じような処理、何度も書いてない?」と思ったら…

たとえば、1から10までの数字を表示したいとき。
それぞれを1行ずつ書くと、こうなりますよね。

java

System.out.println(1);
System.out.println(2);
System.out.println(3);
// …以下略
System.out.println(10);

たった10回でも、これでは手間も多いし、コードが長くて読みづらい…。

しかも、もし100回、1000回と繰り返す必要があったら、とても手動ではやっていられません

そんなときに使えるのが、Javaの「for文」です。

同じ処理を何度も繰り返したいときに、スッキリ・効率的に書けるのが、繰り返し処理の最大のメリットなんです。

✅ プログラミングにおける「反復」の重要性

実は、私たちの日常にも「反復処理」はあふれています。

・毎朝のアラーム

・歩数計が1歩ずつカウントを増やす

・買い物リストを上から順に表示する

こうした処理は、システムの中で“一定の条件が揃うまで同じ操作を繰り返す”ことで成り立っています。

Javaなどのプログラミング言語では、この考え方をコードで表現するために、for文やwhile文などの“ループ構文”を使うわけですね。

✅ システムエンジニアが日常的に使う「for文」の現場例

実際、システムエンジニアが現場で開発しているような業務アプリやWebシステムでも、for文は頻繁に使われます。

たとえば:

・顧客データを1件ずつ処理して一覧表示

・商品一覧を画面にループで描画

・ファイルの中のデータを1行ずつ読み込んで処理

・毎日更新されるレポートを日付単位で出力

こうした「まとまった数のデータを一括で処理する」場面では、for文がなければ仕事にならない…というくらい、重要な役割を担っています。

✅ for文を使うと、何が嬉しいのか?

繰り返し処理をfor文で書くことで得られるメリットはたくさんあります:

・コードが短く、見やすく、ミスが減る

・修正があっても、1ヶ所直せばすべて反映される

・柔軟にルールを変更できる(例:1〜10から5〜15に変える、など)

このように、繰り返し処理をfor文で“自動化”することで、開発の効率も品質もグッとアップするのです。

2. Javaにおけるfor文の書き方(文法と構造)

それでは実際に、Javaで「for文」をどう書くのかを見ていきましょう。
for文には独特の書き方がありますが、一度仕組みがわかればとてもシンプルです。

✅ 基本構文(初期化/条件式/増減処理)

Javaのfor文は、以下のような形で書きます。

java

for (初期化; 条件式; 増減処理) {
    // 繰り返したい処理
}

この3つのパートが、for文のカギを握っています。順番に解説していきましょう。

◾ 初期化

繰り返し処理のスタート地点を決める場所です。
多くの場合、ここでカウント用の変数を定義します。

例:

java

int i = 0;

◾ 条件式

どこまで繰り返すか」を指定する部分です。
この条件が
true の間だけ、処理が繰り返されます。

例:

java

i < 5;

→ i が5未満である限りループを続ける、という意味になります。

◾ 増減処理

繰り返すたびにカウントを進める処理です。
多くの場合、1ずつ加算していきます。

例:

java

i++;

→ i の値を1ずつ増やしていく

✅ for文の処理の流れ(図解の代わりに言葉で順を追って説明)

Javaのfor文は、以下のような流れで処理されます:

1.初期化(変数iに0を代入するなど)

2.条件式をチェック(i < 5 など)

3.条件がtrueなら中身(ループ内の処理)を実行

4.増減処理でiの値を更新(i++)

5.再び条件式に戻ってチェック

6.条件がfalseになるまで2〜5を繰り返す

この流れをぐるぐると回ることで、同じ処理を必要な回数だけ繰り返すことができるのです。

✅ for文が得意なシチュエーションとは?

for文が最も力を発揮するのは、「繰り返す回数があらかじめ決まっている」場合です。

たとえば:

・1〜100までの数字を表示したい

・配列のすべての要素を順番に表示したい

・10人分のデータを1件ずつ処理したい

こうした「回数に上限がある」反復処理は、for文が圧倒的に得意とする場面です。

逆に、「繰り返す条件が動的に変わる」「いつ終わるかわからない」といった場合は、後ほど学ぶ while文 が使われることもあります。

次は、実際にfor文を書いてみて、「どうやって動くのか?」を体験してみましょう!

3. 実際に書いてみよう(初心者向けコード例)

「文法はなんとなくわかったけど、実際にどう書けばいいの?」
そんな疑問を解決するために、ここでは
シンプルで分かりやすいサンプルコードを2つ紹介します。

・サンプル①:1〜10までの数字を表示する

・サンプル②:配列の中身を順番に表示する

どちらも初心者がfor文を練習するのにピッタリの題材です。
それでは、実際にコードを書いてみましょう!

✅ サンプル①:1〜10までの数字を表示

java

public class ForExample1 {
    public static void main(String[] args) {
        for (int i = 1; i <= 10; i++) {
            System.out.println(i);
        }
    }
}

🔍 解説:「どの部分が何の役割をしているのか」

int i = 1:ループ用の変数iを1からスタートさせます。

i <= 10:iが10以下である間、繰り返します。

i++:繰り返すたびにiを1ずつ増やします。

System.out.println(i):今のiの値を表示します。

このコードは、「1〜10」の数字を1つずつ表示するだけのシンプルな処理ですが、for文の基本的な構造をしっかり押さえる練習になります。

✅ サンプル②:配列の中身を順番に表示

次は、**配列(複数の値をまとめたデータ)**を使って、for文で中身を表示してみましょう。

java

public class ForExample2 {
    public static void main(String[] args) {
        String[] fruits = {"りんご", "バナナ", "ぶどう", "みかん"};

        for (int i = 0; i < fruits.length; i++) {
            System.out.println(fruits[i]);
        }
    }
}

🔍 解説:「配列 × for文」は超重要!

String[] fruits = {...}:4つの果物名が入った配列を作成。

i = 0:配列は0番目(最初)からスタートします。

i < fruits.lengthlengthは配列の要素数を表します。今回は4なので、iが4未満の間ループ。

System.out.println(fruits[i]):配列のi番目の要素を表示。

このように、for文を使えば配列の中身を1つずつ取り出して処理することができます。
これは、システムエンジニアの現場でも日常的に使われている**“鉄板パターン”**の一つです。

「繰り返し処理の書き方がわかった」

「コードが少し楽しくなってきた」

そんな気持ちになってきた方は、次のステップへ進む準備ができています!

続いては、初心者がつまずきやすいポイントや、コードをよりスムーズに書くためのコツを紹介していきます。

続き👉Java入門編:制御構文の基礎 条件分岐②:Javaのswitch文で効率よく分岐する方法 | 有限会社バナナドリーム