「もしAなら〇〇する、それ以外なら△△する」
私たちは、日常のあらゆる場面で“条件分岐”をしながら行動しています。
たとえば――
朝の気温を見て「寒かったら上着を着る」
お店の混み具合を見て「混んでたら別の店に行く」
こういった“判断の分かれ道”を、プログラミングの世界でも表現するのが、**「条件分岐」**です。
Javaでは、この条件分岐を実現する代表的な構文として、if文とelse文があります。
初心者にとっては最初の山場かもしれませんが、ここをしっかり押さえることで、**「プログラムが自分の意思で動いている」**という感覚がぐっと強くなってきます。
特に、システムエンジニアとして業務システムを開発する場面では、
・ログイン判定
・エラーメッセージの出し分け
・商品在庫による処理分岐
など、if文とelse文が至るところで使われているんです。
この記事では、そんな「条件分岐のキホン」であるif文とelse文の書き方・使い方・応用方法を、Java初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
もちろん、バナナドリームならではの“つまずきやすいポイント”や“実務での活用例”もばっちり紹介!
コードを書くのが初めての方でも、今日から「自分でプログラムをコントロールできる」ようになるはずです。
それでは早速、条件分岐の世界に一歩踏み出してみましょう!
1. 条件分岐って何のために使うの?
(具体的な使いどころ)
プログラミングを学び始めた方がまず戸惑うのが、「プログラムって、常に上から順番に動くだけじゃないの?」という疑問です。
たしかに、基本的にはそうなのですが、実際のアプリやシステムでは“選択”や“判断”が必要な場面が頻繁に出てきます。
そうした“分かれ道”を作るのが、条件分岐という考え方です。
プログラミングにおける「選択肢」とは?
たとえば、あるWebサービスでユーザーが登録フォームに年齢を入力したとしましょう。
このとき、年齢が18歳以上かどうかで表示するメッセージを変えたい場合、次のような処理が必要です。
ユーザーが18歳以上なら → 「登録ありがとうございます」
18歳未満なら → 「保護者の同意が必要です」
このように、条件に応じて異なる処理を行いたいとき、Javaでは「if文」と「else文」を使って記述します。
つまり、プログラムに“判断力”を持たせるための仕組み、それが条件分岐なのです。
条件分岐は、システムエンジニアの現場でも大活躍!
条件分岐は、Javaプログラミングにおいて本当に基本中の基本ですが、それだけにどんなシステムでも使われている重要な技術です。
実際の現場では、こんなケースで頻出します:
・ログイン処理:ユーザーが正しいIDとパスワードを入力したかどうか
・エラーチェック:必須項目が空欄かどうか
・在庫管理:在庫数が0以下なら「在庫切れ」と表示する
・入力内容による次の処理選択:会員か一般かで表示内容を分ける
・フラグ判定:処理済み・未処理などの状態に応じて動作を変える
これらはすべて、「ある条件に当てはまるかどうか」によって次に行うべき処理を分岐させているのです。
小さな判断が、全体の動きを決める
Javaのような汎用性の高いプログラミング言語では、条件分岐は最も基礎的で、最もよく使われるロジックのひとつです。
if文とelse文がしっかり使いこなせるようになると、たとえば:
「このボタンを押したら次の画面に進む」
「特定の条件を満たした人にだけ割引を適用する」
「入力に不備があった場合だけエラーメッセージを出す」
といったような、現実のビジネスや生活に密着したプログラムを、自分で考えて書けるようになります。
2. if文・else文の基本的な書き方
条件分岐の仕組みをJavaで実現するために使うのが、**if文(イフ文)とelse文(エルス文)**です。
これは、プログラムに「もし〜なら、こうしてね。それ以外なら、こうしてね。」と指示を出すための構文です。
この章では、Javaでの基本的な書き方と、文の構造、よく使う記述パターンを順番に見ていきましょう。
✅ if文の基本構文
まずは、一番シンプルな if文の書き方から。
java
if (条件式) {
// 条件がtrue(真)のときに実行される処理
}
ここで「条件式」というのは、true(真)または false(偽)を返す式のことです。
つまり、「この条件が成り立つか?」をチェックするというわけですね。
✅ if〜else文の基本構文
次に、ifの後に「else」を加えることで、“条件に当てはまらない場合”の処理も指定できます。
java
if (条件式) {
// 条件がtrueの場合の処理
} else {
// 条件がfalseの場合の処理
}
この構文が使えるようになると、「Aなら〜、そうでなければB」といった**“二択”の判断**ができるようになります。
✅ else ifを使った複数条件の分岐
もし、条件が3つ以上あるようなケースでは、else if を使います。
java
if (条件1) {
// 条件1がtrueの場合の処理
} else if (条件2) {
// 条件1がfalseで、条件2がtrueの場合の処理
} else {
// 上記のどれにも当てはまらない場合の処理
}
これを使えば、
・成績が90点以上なら「A」
・70点以上なら「B」
・それ以外なら「C」
といったように、段階的な判断ができます。
✅ 比較演算子と論理演算子を覚えよう
if文の中で使われる「条件式」は、比較や論理演算を使って組み立てます。
以下は、よく使われる演算子の一覧です:
◾ 比較演算子(値を比べる)
==:等しい
!=:等しくない
>:より大きい
<:より小さい
>=:以上
<=:以下
◾ 論理演算子(複数の条件をつなぐ)
&&:かつ(AND)
||:または(OR)
!:〜ではない(NOT)
たとえば、
java
if (age >= 18 && age < 65) {
System.out.println("一般料金です");
}
このように書くことで、「18歳以上かつ65歳未満」という条件を一文で表現できます。
✅ 条件式は“正しく評価”されているかがカギ
Javaのif文では、条件式が true になるかどうかで、処理の流れが決まります。
そのため、条件式の内容が自分の意図通りに評価されるかどうかを確認するクセをつけましょう。
【ここでワンポイント!】
初心者がよくやってしまうのが、
java
if (x = 5) { // ← これは「代入」であって、「比較」ではない!
のような書き間違い。
正しくは、
java
if (x == 5) {
と、「==(イコール2つ)」で比較します。
この違いを早めに理解しておくと、エラーを減らすことができますよ!
3. 実際に書いてみよう(初心者向けコード例)
if文とelse文の書き方を学んだところで、
「実際にJavaで書いて動かしてみたい!」という気持ちになってきた方も多いのではないでしょうか?
この章では、現実的なシーンを想定したサンプルコードを2つ紹介します。
サンプル①:年齢による表示切り替え
サンプル②:ログイン判定(ID入力の有無)
どちらもプログラミング初心者が取り組みやすく、システムエンジニアの実務でもよく使われる構造です。
✅ サンプルコード①:年齢による表示切り替え
まずは、定番の「年齢で表示内容を変えるプログラム」を作ってみましょう。
18歳以上かどうかで、メッセージが変わる簡単なロジックです。
java
public class AgeCheck {
public static void main(String[] args) {
int age = 20;
if (age >= 18) {
System.out.println("ご登録ありがとうございます。");
} else {
System.out.println("18歳未満の方は保護者の同意が必要です。");
}
}
}
🔍 解説:「なぜこう書くのか?」
int age = 20; は年齢を格納する変数。今回は20歳を仮定しています。
if (age >= 18) で条件をチェック。18歳以上なら true、それ以外は false になります。
条件が true のときは「登録ありがとうございます」が表示されます。
条件が false のときは else に書いた内容が表示されます。
このように、if文は1つの条件に対して「Yes or No」の判断をさせたいときに非常に便利です。
✅ サンプルコード②:ログイン判定(ID入力の有無)
次は、ログインフォームなどでよく使われる**「入力されているかどうか」を判断するパターン**を紹介します。
java
public class LoginCheck {
public static void main(String[] args) {
String userId = "";
if (userId.isEmpty()) {
System.out.println("ユーザーIDを入力してください。");
} else {
System.out.println("ログイン処理を開始します。");
}
}
}
🔍 解説:「なぜこう書くのか?」
String userId = ""; は、空の文字列(=入力されていない状態)を初期値としています。
userId.isEmpty() は、文字列が空かどうかを判定するメソッドです。
この条件が true(空なら) → エラーメッセージを表示
false(入力がある) → ログイン処理へ進む、という流れです。